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本にまつわるエトセトラ。

ロマンス小説の七日間/三浦しをん

三浦しをんさんの作品については、先日「舟を編む」について触れたばかりだ。私には悪い癖(というか性格が歪んでいる)があって、流行ったり売れたりすると途端に読む気をなくして、ものすごく時間が経ってからふと読んでみたくなり、読んでみて「これはすごい!」とか盛り上がるんだけど、周りからしたら「だからそれずっと前からみんな言ってるやん」となることである。要するに天邪鬼なのだ。いちばん人気のものを選ぶのが嫌で、携帯も◯コモじゃないし、ICカードも◯イカじゃないし、なんかそういうところがあるのだ。それで、本屋大賞!とか芥川賞!とか言われるとつい読む気をなくしてしまう。

なので「舟を編む」もずいぶん後になってから読んだ。そのうち書こうと思っているけれど「羊と鋼の森」もつい最近になってやっと読んだ。めちゃくちゃ面白かった。早く読んでおけばよかった。でもどうしても流行っているときは読めない。「火花」もまだ読んでいない。読んだ方がいいですかね、やっぱり。

さて「舟を編む」以降、私は三浦しをんさんの作品をいくつか読んで、どれを読んでも結構好きだったので、今回書店で文庫を見つけて買ってみた。

中身をまったく確認せずに買ったら、珍しい(?)恋愛小説だった。しかも入れ子構造というか、作中作というか、登場人物のひとりがロマンス小説の翻訳家で、翻訳中の小説が作中に出てきて、その小説内の物語と、登場人物の現実の物語がリンクするような、しないようなそんな構成になっていた。ロマンス小説といえば◯ーレクインロマンスだが、この作中作はまさにそのもの。中世の騎士と豊かな領地を持つお姫様の恋物語。主人公の翻訳家の女性は、その翻訳の締め切りに追われつつ、自分の恋愛でもいろいろな事が起きて、、、という話。

恋愛小説だと思って買わなかったので、読み始めてからちょっと驚いたが、三浦しをんさんが後書きでご自分で書かれている通り、あまり恋愛小説らしくない(?)恋愛小説だった。なにしろ登場する男性がことごとくひどい。とくに現実世界のほう、誰ひとりまともじゃない。ロマンス小説のほうは典型的な王子様というか騎士でイケメンなんだけれど、どっちかというと従者のシャンドスの方が好み。

 

恋愛小説を読むときって、皆主人公やその他の登場人物に自分を置き換えて、「自分だったら・・・」と考えながら読むのでしょうか?多分そうなんだろうと思って、少なくとも私はこれまではそうやってきたのだけれど、今回はなんだか誰に置き換えたら良いか全くわからないままに読了した。それなのに面白かった。とにかく、私は神名はどうかと思いますよ、本当に。