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本にまつわるエトセトラ。

騎士団長殺し/村上春樹

読了するのにとても長い時間がかかってしまった。これはひとえに自分の問題であって、この小説がどうという問題ではない。

 

最近の数作に共通するテーマ、モチーフ。最近と言わず、ずっとかも。少なくとも海辺のカフカ1Q84とはとても近いものを感じた。ふかえりと秋川まりえって、ほとんど同じ役割ではないだろうか?

とは言え、今回は最後に子供が産まれるという点で今までの主人公ではありえなかった。これまでの村上作品で子持ちの主人公って、たぶんいない。この変化がなんなのか、気になっている。

そもそも私は村上春樹の大ファンだけれど、本当に仲のいい友人を除いてはこのことをほとんど公表していない。それは最近の村上春樹ファンに対するイメージが、なんというか自分とは大きくかけはなれた、居心地の悪いものになっているからで、きっと私と同じように感じているファンもたくさんいることと思っている。

私は高校生のときに初めて読んだ「風の歌を聴け」以来、とにかく彼の書く文章が好きで、読んでいて心地よく、なんでもいいから彼の書いたものをもっと読みたいという気持ちでずっと読んできた。彼の小説を同時代に読むことができることに感謝すらしている。50年後に生まれていたら新刊が出るドキドキを味わうことはできなかった。だから、「騎士団長殺し」も久しぶりの春樹節といった感じで、とても楽しく読みました。次も楽しみに待ってます。

 

 

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

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騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

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